死ぬ直前に頭の中を走馬灯が駆け巡るという話をよく耳にするが、どうやらあれは本当のようだ。

普段は、つまらなくて、くだらない日常なのに、こういう時に限って楽しい思い出しかよみがえってこないなんて、イジメなんじゃないかと思う。
こうやって人は後悔して死んでいくんだと、若いながらも悟ってみた。

そうだ。
アタシまだ若いんだ。

悪いことしながら90歳まで生きるゲス野郎もいるのに、なんでアタシが今、死ななきゃいけないのか不思議だ。
不思議というより不公平だ。
なんか、だんだん腹が立ってきた。
腹は立ってきたけど、生きようという気力はあまり起こらない。

体中の血の気が引いていくのがわかる。
手の指とかスゴク冷たい。
実際、冷たいかどうかはわかんないけど、感覚的に冷たく感じる。

周りがガヤガヤうるさい。
スゴイ。
世の中雑音で形成されているかと思うぐらいアタシの頭の中にいろんな音が入ってくる。

心地良いぐらいにウルサイから、どんどん眠くなってくる。
このまま寝たら死ぬんだろうな。
それは絶対の自信がある。
ピーポーピーポーって何かが近づいてくる。

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